年金分割制度

夫婦の片方のみが働いており厚生年金等の被保険者等となっていて離婚した場合、婚姻中働いていなかった一方が他方の標準報酬等の分割を受ける制度を年金分割という。この制度は、被保険者が負担した保険料は被扶養配偶者が共同して負担したものである、という考えに基づいて設けられた制度である。

年金分割は受給予定の年金自体を分割するものではなく、婚姻期間の共済年金の掛金保険記録や厚生年金の保険料納付記録といった保険料の納付実績を分割するものである。年金分割の対象となるのは厚生年金と共済年金のみである。厚生年金基金、国民年金や国民年金基金は分割の対象外である。また、分割の対象となるのは夫婦の婚姻期間に対応する部分だけである。

年金は相手の受給資格に関係なく、受給する本人の受給開始年齢後に分割受給を受けることが可能となる。また、分割の請求期限は離婚をした日の翌日から2年以内となっており、期限内に社会保険事務所へ請求することが必要となる。ただし、この期間内に調停等の申し立てを家庭裁判所にしている場合、事件の進行中に2年が経過してしまったとしても、調停成立または審判確定後1か月以内に年金分割の請求を行うことができる。